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島原言葉

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藤本箕山の『色道大鏡』第九「文章部」では傾城の芸は第一が物を書くことで、第二が三味線で、禿のうちから書に励むべきであると書かれています。

そして傾国(島原)で使われた言い回しが載っています。島原の遊郭詞(さとことば)と言ってもいいでしょう。

夕辺→よんべ、鍛錬→たんでん、金襴→きんだん、香炉→かうろん、後家→ごけい、象牙→ざうぎ、建仁寺→けんねじ・・・等々今では使われないものがほとんどです。

しかし注意深く見ていくと、京都弁、大阪弁などとして現代の会話に何気なく潜む多くの言葉があって驚きます。それらを挙げていくと

さむい→さぶい 京都弁でしょうか?私自身京都に来た頃、京都の学生さんが鳥肌の事を“さぶいぼ”と言っていたのに大変な違和感を感じました。

おととい→おとつい

ざれごと→じゃれこと こじゃれた・・・なんて言葉もありますね。

摺り木→すりこぎ 現在はすりこぎの方が標準です、

もとゆい→もつとい 落語の文七元結はぶんひちもっといと言います。

大根→だいこ 京都でだいこ炊きの風習があります。

ごぼう→ごんぼ 大阪の年配の方が使うようです。

(さけ)→しゃけ これも大概の人はしゃけと言います。

狐→けつね けつね饂飩など、これも大阪の一部で使われるようです

のごう→ぬぐう 現在のごうは使いません。

ねむたい→ねぶたい

やっぱり→やっぱし

出来たる→でけたる

六代目の笑福亭松鶴師匠の落語に上記の言葉が多く使われていたと思います。


by gionchoubu | 2019-03-03 17:39 | 島原遊郭 | Comments(0)

嶋原遊廓ぞめき 嶋原と名附けた本当の理由

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  大門、洞筋より

延宝九年(1681)三十三年の年をかけて十八巻から成る『色道大鏡』を完成させた藤本箕山が生まれたのは寛永三年(1626) 、十三の年から廓通いを始めたと本人は書いているので、彼が足を運んだのは傾城町六条三筋の最後の時、そして六条三筋から嶋原に移る頃移転劇を目のあたりにしたはずです。

箕山が色道大鏡第十二『日本遊廓総目』の「洛陽傾城町来由」を書いたのが三十六歳で、京都、大阪新町では飽き足らず、江戸の新吉原で遊んでいた頃です。

嶋原移転辺りを抜粋すると、

「柳町を室町の六条に遷さる。ここにおいて三筋町となづく。此地に居をしむる事四十年、其後大猷院殿の御代、寛永十八年辛巳年、又六条より今の新屋敷に遷さる。此時より、此処を島原ともいふ。或の日(あるひとのいはく)肥前國嶋原陣落去の砌として、郭の構へ一郭一門にして、四方按揚げの堀なるが有馬の城に似たりとて、かくいひしときけど、是はおぼろげの譬へと申べからん。抑(そもそも)、島原という心は、人皇七十四代鳥羽院の御宇に、嶋千歳(しまのせんざい)・和哥前といひしは、是本朝遊女の根元也。この嶋といふ字を取て、此遊郭になづく。原とは広き心を云也。毛詩十七公劉篇、鄭玄曰、広平曰原云々。又或説、肥後国はたれ嶋といふあり。風流嶋と書く。又六條宮の御撰の伊勢物語の真名本には遊嶋(たはれじま)とあり。彼是両様をもって見れば、とかくたはるゝ境地なれば、此嶋のながれにしたひて、嶋原となづけ侍る物ならし。」

色道大鏡巻第一の名目抄、第一人倫門の傾城に「夏の桀王の妹喜、殷の紂王の姐己、皆是傾城なり。其外西施・虞氏・王昭君・楊貴妃など同じく傾城なり。我朝にては、鳥羽院の御時、嶋の千歳・若の前といひし者、是日本遊女の根源也」十二世紀に現れた日本の白拍子は名門の出であり、芸妓を含む技芸者の祖とされています。嶋原の嶋はこの嶋の千歳からとり、原は広き心・・・島原の城は出てきても、箕山は島原の乱と嶋原移転の混乱説に関しては触れることすらしていません。

世に嶋原に関する書物は沢山あり、この嶋原の由来に、島原の乱と嶋原移転の際の混乱説を紹介していない本を探すのが難しいくらい、嶋千歳、若(和歌、哥)の前説を紹介する書物を見つけるのは難しいのが現実です。

嶋原遊郭への移転を体感した、さらにこの時期島原に尤も深い造詣をもっていた島原研究の第一人者である藤本箕山の説がなぜ紹介されないか・・・それはその由来が大変地味で人の心を引かないからだと思います。

一方、嶋原遊郭移転に島原の乱を引っ張り出すのは、譬として大変面白く、万人受けするからだと思います。

そもそも気位の高い都人が、云わば田舎で起こった騒乱の名前を日本第一の傾城町の呼び名にもって来る事があるでしょうか?

嶋原の名前の由来が「嶋千歳と広き心」説を私は信じて疑いません。


by gionchoubu | 2016-04-25 12:24 | 島原遊郭 | Comments(0)