花街あれこれ *このブログに掲載されている写真・画像を無断で使用することを禁じます。
by gionchoubu
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温泉芸者のすべて その九
温泉芸者のすべて その八
温泉芸者のすべて その七
温泉芸者のすべて その六

江戸時代から色を売る芸者が多くいたのは周知の事実で『全国花街巡り』ではこれにかかるお金を特別祝儀という曖昧な言葉で表現しており、料金は経過時間の花代に上乗せされて請求されました。
飽くまでも芸妓は寝ないという前提なので、公に言うことはできない、公然の秘密見たいなものだったようです。
昭和30年の『全国女性街ガイド』渡辺寛著で、芸妓が温泉地で客と泊る記述があり、さらに料金が書かれている所を中心に抽出しますと、
北海道
定山渓温泉、一座敷五百五十円、泊り二千二百円
登別温泉、芸者の泊り二千五百円。
東北
岩代熱海、芸者だけが宿に入り、泊りは千八百円
東山温泉、泊りは十一時から二千円だが、一時間のお花三百円をつけないとよい妓は泊りに来ない
飯坂温泉、(百七十三名の内十五名の芸者は泊らず)泊りは十一時から九時まで二千五百円
湯野浜温泉、芸妓の泊りは千九百円に素泊り三百円。芸者・酌婦共に検診がないからご注意とのこと。
東海道
熱海温泉、最初の一座敷が八百円、泊りは素泊別が三千五百円。少しましなのを呼ぶには十時から四千三百円
伊東温泉、一座敷七百円、泊りは平均三千五百円。(百八十名の芸妓の)うち三十名ほどの名妓は泊ない。
熱川温泉、花代一時間三百円、泊り三千円
峯温泉、花代一時間三百五十円、泊りが二千二百円
土肥温泉、芸者花代は一時間三百円、泊り千七百円。
湯が島温泉、時間三百円、泊り三千円
修善寺、花代一時間三百円、泊り三千五百円(三千円もいれば二千円で泊る女もいる)
房州・常陸・野洲
鬼怒川温泉、花代一座敷七百円、泊り三千三百円
川治温泉、花代一座敷六百円、泊り二千八百円
甲信越
湯村温泉、泊りは素泊まりを入れ二千六百円
浅間温泉、花代二百円。泊まり二千円
伊香保温泉、泊りはおどろく勿れ四千円
草津温泉、宿に呼んで十時から三千円、花代は二百五十円
北陸
宇奈月温泉、花代は二百七十円、素泊まりを入れ二千円。
和倉温泉、泊りは安い方で千七百円
山中温泉、泊まり二千五百円
芦原温泉、転び芸者も百八十名。泊りは上のものが三千円。スッポン級が二千円。ほかに宿が素泊り四百円をとる。
大和・紀伊
白浜温泉、芸者の泊りが三千円、
山陽・山陰
有馬温泉、その宿に入る転び芸者が六十七人いて、泊りは素泊供で三千円とは少し高い。
玉造温泉。酌婦型の芸者が六十名。泊りが割に安くて千五百円。
皆生温泉、乙とは転び族。転ぶといっても顔は良し、歌はうまし。それで泊りが千八百円。
三朝温泉、花代二百円、泊り千五百円
浅津温泉、花代百七十円、泊り千六百円
城崎温泉、泊まりは家形でねて三千円(宿には入らない)
岩井温泉、千七百円で泊って行った。
四国
道後温泉、泊まり二千五百円。
九州
人吉温泉、花代は一時間六百円、泊りは二千円
阿久根温泉、一か月に十日ぐらいしか客をとらない
九州など転び芸者の記述が少ないのは、単に料金が書かれていないだけで、実際は他所と変わらぬ状況です。
芸者と寝るには、泊まり代が高いうえに、花代と素泊り(旅館代)がかかります。
芸者以外の酌婦、仲居、女中、パンマ(熱海などの按摩さん)、ダンサー、やとな、私娼は泊まり代と素泊り代のみです。
赤線・青線全盛の時代にあって、何ゆえ温泉地で男が遊ぶのかに触れた本には出合っていません。ただ私の意見として、赤線、青線は時間が細かく決められており、泊まりも普通早朝までの設定であり、どうしても日常の中の遊びという枠内になります。
一方温泉では、芸者を朝遅くまで一緒に芸者と過ごせたので、その辺りが、リゾート雰囲気に併せ、一夜妻のように、言わば情も交せた面があったのでは、と私は想像しております。
温泉芸者のすべて その五

浪江洋二氏によると、温泉芸者の魅力は「旅の恥はかき捨て」にあり、団体客の宴会客に侍り、踊ったりお酌をして廻るだけでは食べていけない、さらにオフシーズンともなれば、その宴会すらなくなるので、シーズン中にいかに客を二次会のお座敷に呼ばれお客に散財させるかが鍵となるわけです。
そこで大人の自由恋愛に発展というのが客と温泉芸妓の最終目的になります。ただしこの自由恋愛にはおカネが絡むわけです。
ただ一次会で、露骨なお色気を発散すると、それはそれで後から同輩や先輩芸者にこっぴどくやられるので、そのあたりのバランスは難しく、故持って温泉芸者の団結力は薄かったとのこと、この点は、皆で自分たちの花街を盛り立てようとする一般の花街と大きく違うところでしょう。
さらに花街のちゃんとした芸者は、決して酒に呑まれず、飲みすぎても崩れそうな名自分を抑える色気が魅力の一つだが、すぐ応じるのが温泉芸者の性質という事になります。
ただし温泉芸者も二種類あり、温泉地で育って芸者になるのは余りおらず、地方から流れて来た芸者が殆どでその比率は1対9で、地の芸者は意外にお堅く、いわゆる温泉芸者のイメージは流れ芸者にあります。
当時の伊豆の芸者は戦前東京で水商売をしていいパトロンをもち二号生活を送っていたが、戦後の混乱でパトロンを失い、都会の芸者になるほどの芸もなく温泉芸者になったものが多かったようです。
温泉芸者の特性の一つに、都会の芸者に対する劣等感があります。
温泉には必ずといって良いほど、宴席で踊るその土地の小唄か何かあるわけで、流れの芸者とはいえ、踊らない訳にはいかないでしょうし、矢張り芸への憧れはあって当然でしょう。
どこの花街にもシーズンオン・オフがありますが、地元のお客が何かと支えてくれるものです。ところが一現の温泉客相手の温泉芸者のオフは深刻で、流れの芸者も他所にまさしく流れていっているものの、地の芸者もお茶を引きっぱなしで、その時が、客としては、いわゆる狙い目という事になります。
芸者は衣装代、組合費、お稽古代などの持ち出しが多く、時間の束縛も、検番というお目付け役もあるので、温泉芸者を含む芸者がこの後氷河期に陥るのは、自明の理なのですが、この時期が意外と早く訪れた理由も今後触れていくことになります。
