宮津 新浜ぞめき その八

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　橋立踊・・・舞妓さんはだらり帯です。

昭和三十八（１９６３)年の『会員名簿』宮津商工会議所編に当時の新浜の花街の様子を偲ぶ事が出来ます。当時のお茶屋は

浪花席　　仲田幸次郎
美奈登　　西谷敏子
藤　代　　佐藤静代
千代家　　梅本万吉
吉田席　　吉田信太郎
いろは席　伊佐清蔵
鈴家席　　千葉鈴子
内藤席　　内藤みよ
美好席　　渡辺美子
一力席　　梅本歌子
義の家　　竹下喜代子
松　栄　　井本繁
島　屋　　高橋源松

と十三軒のお茶屋の登録があります。～席は大阪式で芸妓置屋を指したもので、奈良、和歌山にも広がった呼び名です。新浜に多くの席が存在するのは芸妓がお茶屋だけでなく旅館にも入った、私はむしろその需要の方が多かったと思います。

＊昭和三十七年の『京都名鑑』に。宮津お茶屋組合、岸本千鶴子、茶屋十五、芸妓四十とあります。（２０１６、３月８日付記）

新浜にも㈱大黒屋旅館、㈱北野屋旅館、㈲油屋旅館、そしてすぐ南の魚屋町に㈱清輝楼、茶六本館、旅館高島屋、新浜すぐ北の岸辺の島崎に山嘉、茶六別館がありました。

お茶屋に仕出しを届けたと思われるのに、新浜の魚善、魚屋のたゞ徳、本町の岸和田旅館に仕出しの文字があります。

次に昭和五十三年の住宅地図が新浜花街解散少し前の姿を捉えています。今駐車場になっている場所に、新浜歌舞場事務所、宮津飲料組合の名前があり、その隣にダンスホールロビンがあります。

お茶屋として、公設市場の向かいにお茶屋一力があります。もう一つのお茶屋は商工会議所の登録になかったとき屋があります。お茶屋の称号はありませんものの、義の家、いろはの建物、さらにお茶と書かれたさかえがありました。

この時の新浜にはバー、スナックが沢山できており、元芸妓さんなどが開いたものでしょう。スナックゴッドファーザーは時代を物語っています。万年新地にはまだ宮津劇場もありました。清輝楼が魚屋から消え、今の島崎にホテル清輝楼として営業しています。