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花街あれこれ *このブログに掲載されている写真・画像を無断で使用することを禁じます。


by gionchoubu

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宮津 新浜ぞめき その四

宮津 新浜ぞめき その四_f0347663_11214806.jpg
西日本では殆ど見ることが無い、うだつがあがるの語源である卯建が新浜にあります。大変珍しいものなので、宮津観光のパンフレットに載せてもいいのでは?

さらにケラーマンは、山中というお茶屋での、お座敷遊びの体験を書いています。お花をつけたのは、すでに馴染みになった、当時宮津一の踊り手の名高い二十歳の芸者小奴、そして十六歳の一子と十二歳の福子という二人の舞妓です。さらに、六、七人の踊り子が加わり、当時宮津のお座敷でよく見られたであろう舞いの詳しい描写が有りますので、簡単にまとめますと、

浦島舞・・・所謂、浦島太郎の物語です。耳を劈くような甲高い声で小奴は歌い、三味線を弾きます。そこに二、三挺の三味線が毟るような弾きかたで伴奏し、太鼓を打つのは福子、踊りは一子が扇と翁の面を巧みに使って努めます。

鬼舞・・・羅生門に集まった赤鬼、青鬼、斑鬼の滑稽で哀れな踊り、
ここでケラーマンは「日本の踊りというものは写実的な表現を禁じて、ただ一寸した身振りで、それと示すようにぼかしてある。そのそれと示すのも又、やさしい動きや美しい姿勢が拍子を取って続いて行く間に、うっかりしていると、もう分からなくなってしまう。」と述べています。

さらしの舞・・・この踊りの作者は歌舞伎の団十郎で、ここでもケラーマンは「日本の国民が芸術的本能にいかに富むかという證據は布晒しというような簡単な日常生活の事項さへも、踊りの主題に選んだかという一事である。しかもこの踊りこそ、美しさと鋭さのある、金剛石といふべきものだ。」と、日本の踊りの一面を切り取りました。

松の舞・・・「この踊りは繊細な動きの連続したものである。踊り子の眼は、真直に遠くの方を身ながら、時々首をちょいちょいと動かす。扇子を使う。それきりである」、ケラーマンがこの踊りを見て閃いたのは、寺の戸や、屏風や箱に描かれた一筆描きの書との類似で、これを踊りにしたら松の舞である、と、そのシンプルさの深い味わいといったものに深く感じ入ります。

三国一舞・・・ここで一転、お多福の面を被った一子による滑稽なしぐさに、座敷は笑いに包まれました。

三社の舞・・・踊り手は福子、ケラーマンの感想は「この踊りの物語は、頗る不思議で、しかも全く日本的である。ほかの民族には、到底この物語のやうに、空想に富むと同時に、素朴に満ちた物語を作ることは出来まい。」

しゃべり山姥舞・・・吉原の荻野屋の遊女八重桐と彼女に想いを馳せる坂田蔵人時行という侍と、これを妬む遊女、小田巻の話。

月が重なりゃ・・・頬を膨らませ、額に真っ黒な前髪を垂らして、猫のような丸い頭で十二歳の福子が踊る様に、ケラーマンは堪らず笑い出し、最後には目から涙を出したのです。

さっさ・よ・やっさ・・・そしていつも、その夜のお仕舞に踊るのがきまってこの曲でした。ケラーマンは回顧します。

「その曲の旋律は、永久に僕の耳にこびり付いて、時々踊り子達の叫ぶ短い言葉が僕の記憶の中に蘇ると、その度にお茶屋の有様が眼に浮ぶ。清潔な美しい部屋、綺麗にお化粧した踊り子達、酒の匂ひ、僕達みんなを取巻く屈託のない楽しさなどである。芸者達はみんな揃って、一列になって踊るーさっさ・よ・やっさーみんな腕を振る、手を拍つ。
さっさ・よ・やっさと家中に響く。お茶の通りに響く。直さんと料理人は、立ち上がって一緒に踊る。
手を打つ。体を曲げくねさせるーさっさ・よ・やっさー真赤な船頭も踊りだす。しまいには僕も仲間入りする。」


宮津 新浜ぞめき その四_f0347663_11221100.jpg

by gionchoubu | 2015-02-22 11:26 | 京都の花街・遊廓 | Comments(0)