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祇園東ぞめき 十二

祇園東ぞめき 十二_f0347663_16010998.jpg
                          昭和三十二年のねりもの
                       昭和十一年には後ろに見える屋台におもちゃがいました。

祇園の姉妹

昭和十一年(1936)封切り、原作、監督、溝口健二、脚本、依田義賢の表題の映画は、当時の祇園乙部のおもちゃの芸名の実在芸妓を、当時十七歳山田五十鈴が迫真の演技で演じ、見るものを圧倒しました。

実在のおもちゃは川邑の芸妓で、映画が封切られた年のねりものの千鳥破風の屋台の上で囃方の一人として鉦を担当しました。又昭和三年の祇園乙部芸娼妓名簿で吉之家の娼妓におもちゃの名がありますので、芸妓のおもちゃはすくなくとも二代目以降ということになります。

溝口の代表映画にとどまらず、日本映画をも代表する傑作として名高い作品ですが、実はこの映画は封切当時、祇園乙部の人々を激怒させ、廓の新聞に、あの映画の関係者は三条、四条の橋を渡らせない、つまり祇園に近づくのを許さないと書かれたのです。

祇園は、その昔大和橋架け替えに始まって、安政四年には乙部の林下、清本両を含む内六町が鴨川の河原へ四十二本の石柱を築立て、長さ五十軒の橋板を敷き渡し、幅三間欄干付の見事な四条大橋を架しました。さらに明治七年にも、祇園新地内六町、外六町相よって工事費自ら負担で、府の勧業課に四条大橋架替えを願い出て、宇治観月橋畔の製鉄所に発注して欄干、脚柱の鋳造をなし、七、八年の両年かけ工事を成就、祇園の紋章であるつなぎ団子が施された欄干を誇りに、元吉町、弁財天と並んで後の乙部の林下町の代表が出て華々しく渡り初めをしました。

つまり、祇園にとって架橋は遊客を導く生命線であり、ときには茶屋株のバーターとして架橋は時の所司代から課せられたもので、この血のにじむような努力で渡した橋をそうやすやすと渡らせないという思いがこの言葉の裏にはあるはずです。

映画の内容は、芸妓と客の関係を、旦那制度を含め、打算的な敵対関係としてリアリスティックに描いたもので、暴露物になれた現在の目を通して見ると、さほどの怒りを買うものでもない様な気もするのですが、こういった表現に免疫が少なく、献身的にロケに協力した当時の祇園の人達の身ともなれば、騙された気になったのでしょう。

この映画は当時の乙部の息遣いを感じ取れる唯一の手がかりで、昼尚暗い路地という路地を早足で通る、芸者、遊客、物売りのシーン、夜になれば軒先に丸型ガラス電で屋形の名を浮ばすお茶屋の様子など、今のバー、クラブなどに軒先の殆どを譲った現在の祇園東には存在しない、三業地、五業地、免許地などの面影を偲ぶことが出来るタイムマシーンのような存在ですらあります。

現存拝見できる物は六十九分判で完全版より二十分程カットされた判しか残されていないのですが、戦前の一つの花街の様子を捉えた一級の資料としても重要です。

祇園町北側の看板がはっきり読み取れるなど、この作品のほとんど乙部内で撮られた事は明白で、さすがに古い映画のため、画面上解読できないお茶屋も多いのですが、それでも当時の芸妓置屋上歌、娼妓置屋山下、お茶屋の平八(昭和四十八年の名簿にあり)、の名は読み取ることができ、さらに貸座敷一覧では確認できないものの、池光などの名も確認できます。

そして梅吉、おもちゃの姉妹が住む置屋は持ち家でなく借家である事、甲部のエリアではありますが、まだ欄干のない巽橋のシーンがある事(残念ながら映っているのは白川の南側で、第二次対戦中、強制疎開されたお茶屋大友を含んだ白川の北側は映ってません)、南木屋町の席貸(お茶屋と同意語である貸席とは又違った業種で花街、遊廓の免許地以外でも営業できました。旅館的な機能をもった所もあり、文豪などが長逗留して作品を書くことでも知られています。)だと思える座敷のシーンがあることなど興味はつきません。

この映画製作の際、脚本家の依田義賢氏は三十歳、全く花街になじみがなかったので、中京の呉服問屋の旦那の紹介を得て、祇園甲部のお茶屋、加藤楼へ絣に袴、弁当持参で取材をかさねました。

封切り後、祇園から大バッシングを受けたのは前述の通りですが、当人による後日談によれば、祇園のお怒りがとけたのは一年もたってから、山田五十鈴の役名、おもちゃ本人に座敷にきてもらい、手をついてあやまったところ、罰としてダンヒルのライターを取り上げられて許してもらったそうです。その後は旭日昇天の勢いで乙部であそびつづけ、やがて甲部のなじみにもなりました。

祇園の姉妹はその後、1956年、野村浩将監督のもとでリメイクされども、舞台は甲部の設定でおもちゃの役名もなし、内容も大分薄められた感じがします。とは言え、若き日の勝新、舞妓姿でパチンコをする中村玉緒、芸達者な田中春男や、当時良く芸者役を演じていた小暮美千代など、それなりに結構楽しく見ることが出来ます。

さらに1999年、深作欣二監督、脚本新藤兼人で『おもちゃ』というタイトルの映画が溝口健二氏へのオマージュで作成されども、内容は昭和三十三年の京都の花街を描いたものの、乙部とは関係のない作品で、私も見る機会を得ていません。

余談ですが、溝口健二氏の信奉者であるジョージ・ルーカス氏と依田氏は面識があり、彼がスター・ウオーズ、ヨーダのきっかけであったと一部で噂されていますが、真偽の程は不明です。

私の所有する絵葉書では、アンニュイなお茶屋の座敷の午後、ナミ、玉リュウ、三郎の芸者と共に、トーストや、紅茶を前に、お菓子をとって、帯は矢の字、けだるげにこちらを見る舞妓姿のおもちゃさんらしき写真(一番右)があります、ただし鉛筆の手書きで四人の名前がかかれているため、本人との確証を得ておりません。

このブログのカバー写真がその絵葉書です。


by gionchoubu | 2014-08-31 16:03 | 祇園東 | Comments(0)